概要

RS232CコネクタとラズパイのUSBコネクタの間を無線化します。

ラズパイに接続したキーボードのキーを押すと、電子天秤にTARE(風袋)コマンドを送ります。

電力は、RS232Cコネクタの出力端子から取得します。

今回の構成

構成図

RS232CとUSBとの間を無線化する  APBLE001のご紹介です。(ODMの実績もあり、ご相談承っています。)

RS232Cのコネクタには電源端子が無いため、通常給電用のコネクタが別途必要になりますが、APBLE001-RSは信号端子から電力を受け取りつつ通信を行うため、給電用のコネクタが無いことが最大の特徴です。このため、無線通信は低消費電力なBLEでConnectして行っています。

信号端子から電力を取ることができない機器があったり、通信量が多く信号端子からの給電が間に合わなかったりすることもあるので、全ての機器でご使用になれるわけではありません。ただし、使用可能であれば、ケーブルが無い分スッキリして取扱いも容易になります。

今回は 電子天秤(島津製作所のAP324W)を使用しました。

風袋引き実験

APBLE001とRaspberry Piを使用したワイヤレス風袋引きデモ

「風袋引き」とは、計量物の袋や皿など、計量する対象物以外の重さを先に引く機能のことです。計量物を高分解能で計測する必要がある場合、電子天秤の本体に触れるだけで本体が揺れて計量値が変化してしまいます。そこで、無線で物理的に分離されたラズパイ側のHIDキーボードのキーをトリガーにしてTARE(風袋引き)コマンドを送信すれば、本体の揺れの影響を無くすことができます。

電子天秤
電子天秤裏面。APBLE001-RSに電源ケーブルが無いためスッキリ。
Raspberry Piと10キーボード

APBLE001-PCは、標準的なシリアル通信(CDC)であるため、専用のドライバを用意する必要はありません。

今回はHIDキーボードとして10キーボードを使用しましたが、フットペダルスイッチを使用すれば、両手で作業をしながら足で風袋引きコマンドを実行することができます。