概要

 アップサイドの計量システムを使って、アロマ・ディフューザの重量をサーバーに送ってグラフ表示してみました。
離れた場所からでも、PCやスマートフォンを使って、アロマ・ディフューザに残る、アロマの残量や、吐出量の変化状況をグラフで確認できます。 

お客様のご要望:アロマ・ディフューザ内のアロマ液残量を知りたい。

現在、病院の待合室やホテルのロビーなど、多くの場所でアロマ・ディフューザを使って、香りの提供が行われています。
その場にマッチした香りを、常時安定して提供するために、定期契約でアロマ液の交換サービスをしている会社様からのご相談をお受けしました。

お客様のご要望は、
  1.アロマ・ディフューザに入っている、アロマ(液体)の量を、会社から確認し管理したい。
      現在は、今までの経験と勘を使い、アロマが無くなる前に、設置先に出向いて交換するか、
      送付して、現地のお客様に交換してもらっている。
      切れないように早めに交換する必要があり、無駄が多いし、手間もかかる。
  2.想定した量のアロマが、過不足なく吐出されているかを確認したい。
      今は、どのように吐出されているか、全くわからない。
      吐出が多すぎたり、少なすぎたり、止まってしまっていたりという事もある。
      送付してお客様に交換してもらう場合、きちんと設置され動作しているか分からない。
  3.記録に残し、レポートとしてお客様に説明するサービスを行いたい。
 などでした。

そのため、アップサイドではアロマ・ディフューザ全体を計量して、データを無線でサーバーに送信するシステムを提案し、作ってみました。

 システムを作成してみて分かった一番のメリットは、
  「適切なタイミングでアロマの補充が出来るので、コストダウンとお客様の信頼性が高められる」
    でした。
 お客様からは、このように競合他社には無いサービスを提供し続け、さらに差別化を図りたいとのご要望も聞かれました。
アップサイドでは、ご要望に合ったシステムを、引き続きご提案させて頂きたいと考えています。

アロマ・ディフューザ重量測定システム

作成した機器です。アロマ・ディフューザの重量を測定して、無線でサーバーにデータを送ります。

 アロマ・ディフューザ用
  重量センサー+通信機

システムの構成図です。
サーバーはクラウド上に設置し、ウェブブラウザを使って、データを確認できます。

アロマ・ディフューザ 重量測定結果

測定結果をグラフ表示しました。
Google スプレッドシートでグラフ表示していますので、関係者でシェアすることで、会社からも現場からも、グラフを見ることが出来ます。

アロマ液A
2023/8/18から8/26 までで 80g程度のアロマを出力しました。
吐出量は、かなり多めに設定します。一定量で変化しているのが分かります。

アロマ液B
2023/9/1から9/19 までで、60g程度のアロマを出力しました。
18gほど、瓶に残っています。
A液と異なり、半分ほど吐出した後、急激に吐出量が落ちました。
「香り」も、後半は、かなり少なくなっていました。
その後1か月出力を続けましたが、結局8gほど瓶に残っており、完全に吐出することは出来ませんでした。

システムを動かし見た、ご依頼者様の感想
設置場所に行かなくても、会社から残量や、吐出量の経過情報を見られるのは、かなり便利。
また、このように、アロマ液の種類によって、吐出量が変化することは知らなかった。かなり驚き。
そういえば、設置場所のお客様ご自身で、吐出量が多くなるように設定変更をされることがあり、その原因が、このように後半の吐出量の減少だとすると、このグラフを使って、何らかの対策を立てる必要があると考える。また、吐出量変化が少ないアロマ液の調合・調整を行う必要があると思われる。

アロマ液の重量測定のメリット

重量を測定することで、適切なタイミングで、アロマ液の補充、交換が可能になります。
アロマ液自体は高価な物なので、出来るだけロスを少なくしたいが、残量がどの程度かが不明なので、少し早めに補充液を送付して、交換をするために、どうしてもロスが多くなっていました。
残量が分かれば、それに合わせて、送付出来ます。
アロマ液のロスは、大きく改善出来ました。

特に、設置先に出向いて、交換をする必要がある場合は、アロマ液のロスが少なくなるだけでなく、特に出張に伴う人件費、交通費の削減にもつながりました。

設置先の香りが、強すぎたり・弱すぎたりしていないか、適切な時刻に適切な量を吐出しているか、などのチェックを、データを使って細かく監視ができるのも、大きなメリットです。最終ユーザー様に対して、データを使って、納得のいく説明を出来ることで、ライバルメーカーと差別化することも可能になります。

アロマ液の吐出量のトラブルを通知する。吐出量を遠隔で調整するなど。

今は実装していませんが、ディフューザのトラブルなどで、吐出がストップしてしまったり、吐出量が急に変化した場合、メールなどでお知らせする機能を付加することも可能です。

また、アロマ・ディフューザの吐出量の調整を、遠隔から行う事も、ご要望があれば、提案出来る可能性があります。これが出来れば、お客様のご要望に応じた香りの量を、どこからでも設定出来ます。

温度測定・湿度測定

温度・湿度センサを設置することで、アロマ・ディフューザを設置している場所の温湿度や、近隣の場所(例えば倉庫や、外気など)の温湿度データを、同時に収集することも可能です。
システム上、受信機の近くのアップサイド製センサのデータを、サーバに送信することが可能です。
下記、温湿度の測定データです。
こちらも、Googleスプレッドシートに作成しているので、どこからでもウエブブラウザで見ることが出来ます。

その他、試作品開発に関して雑記(重量測定と、必要なエンジニアリング)

最初、お客様からの問い合わせは、アロマ・ディフューザの中に取り付けてある瓶のアロマ液の残量を知りたいので、アップサイドのWeb情報にある、液体の量(レベル)測定システムを使いたい、という事でした。
いろいろなご要望や、お困りの点などをお聞きした上、設置の容易さ、コストなどを検討し、今回はレベル測定ではなく、重量測定ををご提案いたしました。
アロマ・ディフューザは、1kg前後に対して、アロマ液の量は100ml(100g)程度なので、実際に出来るのか心配されていましたので、実験機を大急ぎで作成し、簡単なプレゼンをして、ご納得いただきました。

 一般的に、重量測定システムの構築は、専門の知識を必要とするため、カスタム設計を行える会社は少ないと言われています。しかし、アップサイドには、過去に測定機器メーカで、計量機器の設計を行った経験があり、国家資格である「一般計量士」の試験に合格したエンジニアがいるので、重量測定システムの設計・開発が行えます。

 今回のシステムで必要な技術は
  1.重量センサーを使っての計量。
  2.Bluetooth、Wi-Fiなどの無線通信。
  3.省電力設計。
  4.サーバ、データベース、ウエブ・ブラウザーの構築。
  5.構造設計、ケース設計。
   などになります。 
 アップサイドでは、上記の技術を持ったエンジニアが、皆様のご相談をお待ちしております。