概要

複数のセンサを使ってデータを取得します。

気圧センサを使い、2点間の高度差の変化を見ます。

今回の構成(気圧センサx2、ゲートウェイ、サーバ)

構成図

気圧センサの用途の1つとして、気圧が標高・高度によって変化することを利用して高度を測定するということがあります。

今回はマンションの室内の気圧を基準にして、非常階段を昇り降りして各階での気圧を測定し、差圧の変化と階数の関係を調べます。室内は気圧センサの値をBLEビーコンで約10秒に1度、送信しています。電池はCR2032です。今回の精度だと半年程度動作する見込みです。

BLEビーコンはせいぜい見通し10m程度しか届かないため、屋外の無線方式はプライベートLoRaを用いました。ただし、持ち歩くのを楽にするためセンサ側にはアンテナを付けなかったので、あまり距離は届きませんが、今回は問題無いです。約10秒に1度、気圧センサのデータを送信しています。電池はモバイルバッテリを使用しています。消費電力のチューニングをしていないので、あまり長くは使えませんが数日はもつと思います。LoRaのゲートウェイは電波を受信しやすい場所に配置し、モバイルルータ経由でサーバへデータを送信しています。

気圧測定実験

気圧センサ(BLE/室内)

実験なので室内に置くセンサはむき出しにしています。データを受信するゲートウェイの近くに置くためBLEビーコンでデータを送信しています。

気圧センサ(LoRa/持ち歩き用)

手近にあった箱に入れました。アンテナを付けるとさらに大きな箱が必要になり、手で持った状態で階段を登ったり降りたりするのに手間がかかるので今回はやめました。外付けアンテナを付けない状態でも見通して障害物がなければ数十メートルは通信できることは確認できています。

LoRaゲートウェイ+モバイルルータ

Raspberry Piの上にLoRaモジュールの載ったボードを装着しています。モバイルルータはUSBテザリングで使用しています。電源を入れるだけで、受信したデータをサーバへ送信します。データを受信する側も、送信する側もワイヤレスなので、電源が確保できれば設置場所の自由度が高いのが利点です。短時間であればバッテリーでも動作するので、さらに設置場所の自由度が増します。

測定データ(室内)

室内の気圧はほとんど変動無いです。時間は30分弱です。

測定データ(屋外)

階段を移動して高度を変化させたので、値に変動があります。

差圧から計算した高度変化結果

気圧差と階数(高度)の関係

各階での測定値と室内の測定値の差と、階数の関係を抜き出してプロットすると、きれいな線に乗る関係が得られました。