概要

信号波形を確認できるような高度な技術を持った方向けの情報です。

APBLE001-RSを正しく接続しても動作しない(LEDが点滅しない)機器があります。

正しく動作する機器と、動作しない機器との信号波形の違いを示します、

APBLE001-RSが動作する時

まず、APBLE001-RSをRS232Cのコネクタを持つ機器に接続して、正しく動作する(LEDが点滅する)時の説明をします。

APBLE001-RSと機器との接続図

APBLE001-RSは、接続される機器内部のRS232CインタフェースICの出力信号ピンから信号を受け取り、かつ、そのピンから電力も取得して動作しています。

APBLE001-RSを接続しない時の出力信号波形

ここでは、例としてアナログデバイセズのADM3202ARNZを使用して信号波形を観察します。何も接続していないオープンの状態では約±6.4Vの振幅で動作しています。

APBLE001-RSを接続した時の出力信号波形

APBLE001-RSを接続すると、APBLE001-RSが動作するために必要な電力を消費するため、若干(この例では約0.8V)信号の振幅が小さくなっています。

APBLE001-RSが動作しない時

機器によっては信号出力ピンから、APBLE001-RSを動作させるために必要な充分の電力を供給できないものがあります。弊社で確認できているものでは、例えば乾電池で動作するハンディテスタで出力ピンから電流を取れないものがありました。また、他にもどういう理由でそのような設計をされたのかはわかりませんが、信号出力ピンに直列に1kΩの抵抗が挿入されているものがありました。あくまで予想ですが、静電気による破壊か、ショートして電流が流れ続けた時の熱破壊を防ぐためのものではないかと思います。ただ、市場にはそのような抵抗が無い装置がたくさんありますので、本当の理由はわかりません。

APBLE001-RSと抵抗が信号出力ピンに挿入された機器との接続図

この1kΩの抵抗が挿入された装置にAPBLE001-RSを接続した場合、信号出力ピンから供給される電力が足りなくて動作することができません。

この時の電圧波形を見てみると、約5.2V電圧が下がっています。この電圧のほとんどは直列に挿入された抵抗による電圧降下です。